原生ビオトープウォーク

2020年5月22日

ニリンソウの花今日は気温が高くなると予報が出ていたので、長坂町の原生ビオトープウォーク、大深沢川コースへ行ってきました。原生ビオトープウォークとは、「地域本来の生き物たちが生活する場所を観察しながらゆっくり歩く」という意味だそうです。

自然と人の共存を目指すプログラムの一環だそうで、北杜市観光協会や地元企業も協力している活動です。JR長坂駅から歩けるコースで、S、M、Lの3コースが設定されています。今日は真ん中のMコース、およそ5kmのコースを歩いてきました。

大深沢川コース入り口県道17号線を車で小淵沢方面に向かい、長坂駅に向かう県道32号線との分岐を左折して高架をくぐり、小淵沢方面に進んだ先に遊歩道入り口があります。手前左に5、6台分のスペース、通り過ぎてすぐの右側に20台くらい駐められる場所がありますので、賑わっても大丈夫そうです。

少し下りた最初の曲がり角に、説明看板と隣にリーフレットの入ったクリアケースが設置されていました。三つ折りでコースの地図と見頃の花の時期など載っているしっかりしたものでした。

ここからしばらくは明るい林床のコースを下っていきます。

今が盛りのアケビの花がわんさか咲いていました。これはまた秋に来てアケビの実を……

イカリソウやヒトリシズカもたくさんあります。イカリソウはちょうど咲き始めのきれいな状態で、あちこちにあって目移りしてしまいました。スミレの仲間もたくさんあって、ざっと見ただけで5、6種類ありました。アカネスミレとアケボノスミレが多かったかな。

こんな感じに植物のそばに名札が立っています。手書きの文字が味わい深いです。あれ? この字には見覚えがありますね……たぶんですが小黒さんかな?

途中途中に案内標識があるので迷わず歩けます。林床を抜けるとイチリンソウやカキドウシ、フデリンドウなど春の山野草があちこちに。ゲンジスミレがちらほらあるのもこの辺りで、比較的珍しいスミレかと思います。

しばらく進むとニリンソウの群生地があって、ロープで囲って保護されていました。

ニリンソウは群落を作りやすい植物ですが、これだけまとまって大量に咲くのはなかなかありません。木が倒れるなど環境の変化でも無くなってしまうこともあります。名物になるくらいの大群落になってくれるとうれしいですね。

Sコースの終了地点で一度車道を横切ります。そこからMコースが開始で連続しています。Mコースからは棚田の脇の舗装道路をゆっくり下る、田園風景を楽しめるコースです。道の両脇にはキジムシロやミツバツチグリ、ウバユリの新芽やイタドリの赤い芽吹きなど春を感じさせてくれます。

ヤマブキがあちこちにあってきれいでした。

Lコースとの分岐点まではあっという間です。このまままっすぐ進んで日野春駅に向かうという案内が出ています。電車で来た場合はそちらが良さそうです。

左に折れて川を渡るとつづら折りの登り返しになります。暗めの林床なので、今までは無かった植物がいくつも見られました。アマドコロかホウチャクソウっぽい芽出しや、シダの仲間が多数。

中でもジュウニヒトエはあちこちで見られ、薄いピンク色の個体もありました。日本産のアジュガですが、この頃数が減っているようです。山野草として育てても面白い種なので、ジュウニヒトエなどを元にした耐寒性の高いアジュガが出来ないかなと思っています。

山道を登り切ると山梨県立農業大学校の近くに出るので、あとは道なりに車道を戻ります。歩道があるので危険はありません。ウグイスカグラやバクチノキ、オニグルミの花を見ながら車を駐めた場所まで戻りました。

一周で七千歩ほどでしたので、ざっと5kmくらいのコースと思います。Lコースだと10km超えるくらいでしょうか。1~2時間のウォーキングコースとしては、変化に富んでいて楽しいと思いました。

また初夏の頃と、秋にも歩いてみようと思います。