IY46純白仁王こちらもオークション入手の交配種です。純白の仁王タイプで花の大きさが羽蝶蘭と変わらないレベルまで大きくなっています。その割に草丈は小さいままなので少々窮屈な感じもします。

コアニチドリとの種間雑種のエノモトチドリであれば、草丈も倍くらいに伸びて花と花の間も広くなるので、岩千鳥の園芸化を考えるのであればエノモトチドリ化というか「三宝」と同じように、エノモトチドリに戻し交配していく方向性が良いと思います。

IY15紅一点仁王実生系の岩千鳥をいくつかオークションで入手しました。いくつか特徴的なものをご紹介したいと思います。最初は紅一点の仁王タイプで、最近の品種とくらべると花形も模様もおとなしいものです。

私はどうも紅一点やベタ紅などのはっきりした模様や、逆に模様の入らないタイプが好みのようです。

大仁王登録品種の「大仁王」の、もう一株が咲いてきました。こちらは本芸が出ていると思います。側裂片、唇弁下部とも扇状に広がって、細かい鋸歯もあります。いわゆる仁王タイプと呼ばれる、唇弁が大きく広くなった変異形です。

こんな花が自生地で見付かるのですから、イワチドリが持っている遺伝子の多様性には驚かされます。同じことはウチョウランやアワチドリにも言えるのですが。

きれいな四条点も特徴の1つになっていて、遺伝性は良いようです。

オオイワチドリイワチドリは日本に自生する野生ランで、地際から展開する一枚の葉と、チドリに似た可愛らしい花が特徴の原種です。わたしが子供の頃にエビネのブームがあったのですが、この頃に羽蝶蘭や岩千鳥もブームになり始めました。

その頃の趣味の山野草で写真を見たのが、オオイワチドリというランを認識した最初だったと思います。その後長野の山野草店や、甲府の山野草を多く扱う花屋で実物を見ました。その頃「オオイワチドリ」として売っていたのは、どれも写真のようなものだったと記憶しています。

剣GWの頃からイワチドリやエノモトチドリの開花が始まりました。スタートダッシュが早かった春が、いつもの季節感に戻ってきた気がします。でも、暑くなるのは早そうですね。

これは岩千鳥の「剣(つるぎ)」という品種で、日本イワチドリ愛好会登録No.287です。日本イワチドリ愛好会は、関西ウチョウラン保存会とともに、昔からイワチドリの品種を登録・保存管理していた団体です。解散してしまったのは残念です。

標準的な岩千鳥の花形で、喉元の二条点はト点と呼ばれるつながった棒状になります。遺伝的に面白い性質のようで、様々な品種の交配親になっているようです。