写真,野草

ヒガンバナ1
ヒガンバナ Lycoris  radiata  Herb

今年も彼岸花の咲く季節が来ました。学名のラジアータは「放射状の」という意味で、昔の分類に放射相称の生物群をまとめる考え方があったそうです。わたしの子供の頃には、ヒガンバナは死人花、墓花なんて呼び方もされていて、なんだか不吉で恐ろしい花だという印象が合ったように思います。

近年はそのような忌避感は薄れて、地方によっては秋の観光名所として知られる場所も増えてきました。特に棚田やお寺の周辺などが人気のスポットだとか。時代が変われば人も変わるというモノでしょう。救荒植物としてや殺鼠剤の材料、モグラ避けなど、さまざまな理由で人の手により日本各地に広がったヒガンバナ。

ほとんどは種子のできない三倍体個体で、栄養繁殖で増やし続けてきた物です。九州や中国大陸に二倍体の個体群があるので、それらの中から八重咲きや白花の個体が見つかっています。園芸的には耐病性が高く丈夫なので、他のリコリス属と交配育種が進んでいます。

クロカミラン「幸春」
クロカミラン「幸春」

今年は春先に体調不良で満足に動けず、保管していた球根の植え付けがGW近くになってしまうという、誠に情けないのと花たちに申し訳ない状況でしたが、なんとか咲いてくれました。すでにほとんどの球根が芽を伸ばしていて、生長速度も出蕾も開花もあっという間の出来事になってしまいましたが、短い間でもイワチドリやウチョウラン、クロカミランやサツマチドリの間には開花期の差異がちゃんと出来ていたのには驚きました。

そんなわけでまだウチョウランとサツマチドリは咲き出していません。気温による影響を受けにくいのか? と不思議な感じがします。こんな経験は一度だけでいいので、来年はちゃんと3月上旬に植え出したいと思います。毎年その時期でちょうどいい感じでした。

ガーデニング

アザレアツバキの花
アザレアツバキの花

夏に咲く椿があるというのを初めて知ったのは、赤塚植物園さんの Webページを見ていたときでした。全くの不勉強でこの花の存在を知らずにいた自分を恥じつつマッハで注文。もともとツバキの仲間は大好きなので、いくつか育てている品種はあるものの、ツバキといえば早春から春までのお楽しみでまた来年。

メジャーな存在ではあるものの、春の風物詩としてのイメージしかなかったツバキ。それが夏に咲くものがあるなんて…まったくこの世界はどこまでも面白い。アザレアツバキ(Camellia changii)という、アザレアなのか、ツバキなのか、どっちなんだぃ! という紛らわしい名前は、学名のシノニムに C. azalea があって、元々はそちらの名前だったためのようです。なんかパチモンくさくて良く無い名前に感じるので、可愛い流通名があるといいですね~

ナツツバキという、同じツバキ科ではあるけれど別属の花木もあります。日本にも自生があって、ヒメシャラやシャラノキなど庭木でも人気のある白い一重咲きのお花です。アザレアツバキが夏に咲く椿なのにあまり知られていないのは、ナツツバキの存在に隠れている部分もあるかもしれません。

写真,野草

ヤビツギンラン
ヤビツギンラン

いつものカメラと違うので、全体的にあまい写真が多くてアレなのですが、職場近くの雑木林で見掛けたので写真を撮ってきました。付近には少数ですがササバギンラン、たくさんのギンランが見られます。ヤビツギンランというのは、ギンランのペロリアを指す和名で、唇弁が側花弁と同型に変化しているものを指します。

2020年に学名が変更されて、Cephalanthera erecta f. pelorica という地域品種扱いになりました。発見地のヤビツ峠以外でも各地で見つかっているので、それ程珍しい変異でもないのかもしれません。同様の変異はサワラン(アサヒラン)のペロリアのキリガミネアサヒラン、カキランのペロリアのイソマカキラン、ヒトツボクロのペロリアのヒトツボクロモドキなどに学名が付いています。最近の研究では、ヒトツボクロモドキは種が違うそうなので、別種扱いになっているかも。

ナンゴクウラシマソウ・オレンジ花
ナンゴクウラシマソウ・オレンジ花

3年前にヤフオクで入手した小球根で、今年はまだ咲かないだろうと思っていましたが意外にも咲いてくれました。ナンゴクウラシマソウの色変化はあまり多くなく、赤花系がいくつか知られている程度らしいです。この花もオレンジというには赤味が強いかな? という赤花系統ですが、ウラシマソウの赤花はワインレッドのような赤紫が多いので、面白いなと思います。

ナンゴクウラシマソウはウラシマソウの基本種にあたります。日本では西日本丹分布して、朝鮮半島にもあるとか。ウラシマソウと比べると全体的に小型になる傾向があるようです。