ガーデニングのこと

ガーデニング

イトラン

キミガヨランの仲間で葉が細く、葉の縁が裂けて糸のようになることから糸蘭の名前が付きました。蘭というのは美しい花の形容に使われることがあって、蘭ではない植物にもランという名前が付けられることがあります。例えばヤナギランとか、ヤブランとか君子蘭にスズランもそうです。

写真の右に灰色の枯れ枝のような物が写っています。これは昨年のイトランの花形で、一年経ってもドライ状態で残り続けます。太い茎は中空なので意外と軽い枯れ枝なので、オーナメンタルとして利用することもあります。チランジアなんかを着生させて飾っても面白いかなと。

ガーデニング,山野草

春咲きシュウメイギク

春咲きシュウメイギクの本命は写真の花で、アネモネ・ヴァージニアナという種類です。今年は開花が遅れたのか、春咲きと言うにはちょっと? な時期に咲き始めました。花びらの先が摘まんだ感じに尖るのが、見た目で分かりやすい特徴かと思います。丈夫さで言えばカナデンシス種の方が育てやすく、増殖率もいいのでそのうち春咲きシュウメイギクの本命としてカナデンシス種が取って代わるかもしれません。

ただ個人的な好みで言うと、やっぱりヴァージニアナの方がシュウメイギクらしいと感じます。秋咲きのシュウメイギクって、花首がながーく伸びて先端に花を付ける感じで咲くものが多いんですよね。ポット向きの園芸品種には、花首が伸びないよう改良したものも多いのですが、昔から庭園に植えられてきた秋明菊、貴船菊といった種類は花首の長さも特徴です。

その点でカナデンシスやフタマタイチゲは花や葉は似ているけど、やっぱりシュウメイギクとは違うよなぁと感じてしまいます。

ガーデニング

西洋イワナンテン

常緑の低木でアメリカイワナンテンとも呼ばれます。耐陰性が強いのと目立った病虫害が無いので、カバープランツとして空いたスペースに植えられることが多いようです。公園の階段脇とか、歩道の中央分離帯とかあまり目立たないところにひっそりと使われる印象です。

写真の株は「レインボー」という芽出しの頃は赤くなって派手な品種です。おそらくこの品種が一番普及しているんじゃないかと思います。寒さにも暑さにも強いので、割とどこでも見掛ける植物になっています。近所に咲いているのを見ている限り、ミツバチにはあまり人気がない? ように思うのですが、この花の咲く5月は他にもいろいろ蜜源があるので、あまり見掛けないのかもしれません。

日本原産のイワナンテンは山野草として知られています。なかなか育てにくい難物だと感じています。やはり日陰に強いので一日中日陰になる岩組みに植えて育てていましたがなかなか大きくなりませんでした。

ガーデニング

チョウジソウ

チョウジソウという花があります。Amsonia elliptica という学名で、ガーデニングが好きな人なら、アムソニアで通じる宿根草です。写真の花もチョウジソウだと聞いているのですが、いやいや、チョウジソウにしては花付きよすぎない? というツッコミを入れたい気持ちが。おそらくですが、海外産のアムソニアの何かと思います。

チョウジソウはミソハギなどと同様に、里山の休耕田や小川の畔に生える植物で、現在は絶賛行方不明中です。昔は普通に見られたそうですが、わたしが子供の頃にはもう珍しい野草だったように思います。自分も野生の状態は一度しか見たことがありません。採取圧や盗掘と言われる、人が掘り取ってしまうことで絶滅してしまう野生種も多いですが、チョウジソウは環境の変化や、里山に人が手を入れなくなったことで減ってしまったのではないかと思っています。

ガーデニング

春咲きシュウメイギクの花

一般的に春咲きシュウメイギクは、アネモネ・ヴァージニアナを指す名前です。この花も最初は春咲きシュウメイギクだと思っていたのですが、よく調べてみるとカナデンシス(Anemone canadensis L.)のようでした。フタマタイチゲやニリンソウなんて名前でも流通しているようですがどちらも別種です。

この花を育てているご近所さんのお話では、購入したときのポットのラベルには、春咲きシュウメイギクと書いてあったからそうだと思った、のだとか。確かに両種は良く似た性質で、花も似ていることから紛らわしいのです。ポット苗の生産者も区別できずに育てているのが実際でしょう。

ヴァージニアナは、花びらの先が摘まんだように尖ること、苞葉の先に花が一つであることで見分けられると思います。カナデンシスは二股、二輪という別名のように、苞葉の元に二つ目のつぼみが付くことが多く、一度には咲きませんが二輪の花が咲きます。その分、長く花を楽しめるという点で、園芸的にはよい種類だと思います。