セリバヒエンソウ

セリバヒエンソウ

この花を初めて見たのは、学生時代のJR駅でした。今でもその時の風景は思い出せるのに、どこ駅だったのかがまったく思い出せません。幹線道路に沿うように横長のプラットホームがある田舎の駅だと思い出せるのですが、さてはて何駅だったのやら。どこかの山に登るために訪れているはずなので、有名な山の登山口になっている駅なのですが…時の流れは残酷だ。

昔風にいうと帰化植物で、外来生物です。侵略的とまでは言えないそれ程分布が拡大されやすい種類ではありません。十年単位で見るとあれ? あそこにも昔からあったっけ? な事は感じますが、まぁそれは在来の自生種でも同じですし、取り分けて問題視するような花でもないかなと。

セリバヒエンソウの花

一年性のデルフィニウムです。デルフィニウムというより、チドリソウと言ったほうが花が似ていると思いますが、今の分類だとチドリソウは一年性のデルフィニウムという扱いなので、この種も同様に分類されているという事でしょう。日本にはデルフィニウムの自生種がありません。その点でも遺伝子汚染が起こる心配がないので、外来種ですがあまり心配は要らないと思う次第です。

アリがタネを運ぶようですが、広範囲にまで伝播するにも時間が掛かりますし、派手な花でもないので人の手で広まることもそれ程ないという、ひっそりと生きている花です。個人的には白花やピンクなどの色変わりがないか期待しているのですが、一年性なので見付けても維持が大変そうだなと思っています。

四倍体でも作れれば、花も見栄えのする大きな花が咲くようになるかな? と思わないでもありません。そうそう、チドリソウは連作障害が出る作物で有名なのですが、このセリバヒエンソウは毎年同じ場所で生えてきます。意外にも連作障害に強い性質があるのかもしれません。

写真,野草

Posted by Bsaku