ガーデニング,春蘭

中国春蘭「緑英」

蘇州で発見されたものが1902年に人に渡って知られるようになり、日本には昭和2年頃に渡来したとされています。かれこれ120年もの長い間、たくさんの人の目を楽しませてきた蘭です。最大の特徴は花茎が緑茎であることで、中国春蘭で緑茎のものは多くないようです。

香りはそれ程強くありませんが、少し甘さを感じる良い香りです。大富貴の香りより雑味を感じるけれど、より甘い香りです。

ガーデニング,春蘭

中国春蘭「大富貴」花

子供の頃から蘭という植物が好きになって、老年になったら寒蘭や春蘭を育ててみようと思っていました。とはいえ歳を取ってからでないと手を出さないという決め事をしていたわけでもないので、振り返ってみるといつも数鉢の東洋蘭を育てていたように思います。

昨年あたりからそろそろ本腰を入れて育てようと思い、寒蘭を数点求めてみたりしました。今年は今まで一度も育てたことが無かった、中国春蘭を育てたいという気持ちになりました。切っ掛けはたまたま見掛けたお店で咲いていた、とても良い香りの春蘭が中国春蘭だと知ったからです。

この花は「大富貴」という銘品でとても良い香りがします。

ガーデニング,寒蘭

寒蘭・笹平チャボ新芽

何十年ぶりかでカンランを育て始めました。一時期熱を上げていたのですが、突発事故でほとんど全てを枯らすことになって止めてしまいました。再開しようと思った切っ掛けが何だったのか自分でも分かりませんが、気が付けば数点の寒蘭が手元に。

寒蘭の観賞には面白い楽しみ方があって、新芽会という初夏の新芽時期に美しさを観賞する楽しみ方があります。もともと優美な草姿を尊ぶ蘭でもあり、花だけとか斑入りだとかの一点に注目するだけでなくて、全体のバランスを評価してきた伝統のある東洋蘭、寒蘭ならではだと思います。

写真の寒蘭は、笹平チャボと呼ばれている、土佐寒蘭の人気のグループで、金鵄や桃花の矮鶏寒蘭が多く見られる産地だそうです。乳白色の新芽で伸びてくる株には、桃花や金鵄のものもあるので、そういう花が咲いてくれたら良いなぁと期待しています。花は来年以降になりそうです。

セッコク

長生蘭「白蛇殿」

名鑑登録されている品種のみを長生蘭と呼ぶべきなのかわかりませんが、入手時は長生蘭でしたのでそのように扱っています。高知県香美市物部町大栃というところの産だと聞いています。あけぼの斑という分類になるのでしょうか。天冴えで芽出しの頃はほとんど乳白色の新芽で伸びてきます。

あけぼの斑の植物はどれもそうですが、徐々に葉緑素が乗ってくるので植物として生長することができます。芸という点で見れば後暗みという嬉しくない性質で呼ばれてしまいます。でも幽霊のままじゃ文字通りの幽霊になってそのまま枯死してしまうわけなので。白蛇殿は去年の葉にはあけぼの覆輪くらいの斑の残り方をしますから、後暗みといってもかなり良いタイプと思います。

山野草

アオテンナンショウの苗・大種子

先週末に、アオテンナンショウの実生苗を鉢上げしました。アオテンナンショウ(Arisaema tosaense)は四国や中国地方、九州で自生が見られる日本固有種です。名前の通り全体が緑色のテンナンショウで、最大の特徴は仏炎苞の先が細く長く伸びること。ウラシマソウの釣り糸のようにとても長く伸びるようです。

同様に小葉の先も細く伸びるそうで、実生苗の葉にもそれらしき特徴が出ています。こんなに小さいのに、もうアオテンナンショウとしての気概を感じるというか、なんか可愛らしく思えてしまいます。丸い小葉に緑の花が咲いて背丈もあまり高くならないと、ヒロハテンナンショウのような見かけの種ですが、アオテンナンショウは暑さに強く育てやすい種類です。