写真,野草

サイハイランのつぼみ

会社周辺の雑木林には、何種類かの野生ランが自生しています。サイハイランという冬緑性? のランもその一つで、秋に新しい葉を出して冬の間は濃い緑のエビネに似た大きな葉を付けます。花が咲く頃かその後に徐々に黄色くなって枯れ落ちますが、花の咲かない年はそのまま残ったりもします。

写真の左上と右下にニョキッと突き出ている、赤紫のつぼみがサイハイランのつぼみです。それぞれの左に昨年の葉が付いているのが分かるでしょうか。やや黄緑色がかっているので花後には枯れてしまうと思います。葉数の多くないランなので、一枚とはいえ光合成を行う上では重要な葉なのですが、幸いにも食害を受けることはほとんど無いのか、天寿を全うする葉を見掛けることが多いです。

本格的な梅雨になるとサイハイランの花が咲き始めます。

ガーデニング

西洋イワナンテン

常緑の低木でアメリカイワナンテンとも呼ばれます。耐陰性が強いのと目立った病虫害が無いので、カバープランツとして空いたスペースに植えられることが多いようです。公園の階段脇とか、歩道の中央分離帯とかあまり目立たないところにひっそりと使われる印象です。

写真の株は「レインボー」という芽出しの頃は赤くなって派手な品種です。おそらくこの品種が一番普及しているんじゃないかと思います。寒さにも暑さにも強いので、割とどこでも見掛ける植物になっています。近所に咲いているのを見ている限り、ミツバチにはあまり人気がない? ように思うのですが、この花の咲く5月は他にもいろいろ蜜源があるので、あまり見掛けないのかもしれません。

日本原産のイワナンテンは山野草として知られています。なかなか育てにくい難物だと感じています。やはり日陰に強いので一日中日陰になる岩組みに植えて育てていましたがなかなか大きくなりませんでした。

写真,野草

ハリエンジュ

正式な和名はハリエンジュですが、ニセアカシアという別名の方がよく知られていると思います。マメ科の高木で15mを超える樹も珍しくありません。萌芽力と根張りがとても強いので、護岸工事で利用されてきた経緯があります。山梨では河川敷のあちこちに林になっているのを見掛けるので、なじみのある花木ですね。

蜜源植物として重要視されているので、養蜂が盛んな地域でもあちこちで見掛ける花ではないでしょうか。ただ、個人的にはあまり印象の良く無い、苦手な植物です。とにかく枝に付くトゲがやっかいで、伐採した枝だけじゃなくて林床を歩くときも危険があります。実生でもよく増えるので、いつの間にか生えてくることもあって除草の際に邪魔者扱いです。

北米原産の外来種で、古くは街路樹としての利用が多かったようです。今では各地で侵略的外来種として駆除の対象にもなっていますので、好んで庭に植える人も減っていると思いますが、一度植えると除去するのが難しいのでご注意を。

写真,野草

エゴノキ

花の後に付く実がオリーブに似ていると思う庭木としても有名な高木です。木材としては建材というより、日用品に使われることが多いそうで、細い割に固さと粘り強さのある枝です。杖としても使いやすそう。名前の由来は実に強いえぐみがあることからエゴノキだそうで、かじったことはありませんが見るからに苦そうです。

毒成分でもあるサポニンを果皮に多く含むので、食用にはなりませんしうっかり口に入れないように注意が必要です。子供の頃にピンクエゴノキという、花の色が淡いピンク色の園芸種を育てていたことがあるのですが、花が咲く前に興味を無くしてしまったのか、咲いた花を見た記憶がありません。高木なので開花サイズになるまで時間が掛かることを知らなかったので、実家の庭のどこかに植えたままだと思います。

ガーデニング

チョウジソウ

チョウジソウという花があります。Amsonia elliptica という学名で、ガーデニングが好きな人なら、アムソニアで通じる宿根草です。写真の花もチョウジソウだと聞いているのですが、いやいや、チョウジソウにしては花付きよすぎない? というツッコミを入れたい気持ちが。おそらくですが、海外産のアムソニアの何かと思います。

チョウジソウはミソハギなどと同様に、里山の休耕田や小川の畔に生える植物で、現在は絶賛行方不明中です。昔は普通に見られたそうですが、わたしが子供の頃にはもう珍しい野草だったように思います。自分も野生の状態は一度しか見たことがありません。採取圧や盗掘と言われる、人が掘り取ってしまうことで絶滅してしまう野生種も多いですが、チョウジソウは環境の変化や、里山に人が手を入れなくなったことで減ってしまったのではないかと思っています。