ウチョウラン「白宝」

白宝はかなり古い品種で、昭和のウチョウランブームの初期に世に出た純白花です。子房の色を見てもらうと分かるとおりに完全な青軸白花なので、実生すると純白花ばかり出てきます。いわゆる素心というタイプです。自然種なので花も草姿も全体に小型で野性的です。

栃木産の白花のように大型になる純白花もありますが、小型のものの方が暑さに強い印象があります。球根もそれほど大きくならないように思います。東日本産と西日本産で、同じウチョウランとはいっても変化しているのかもしれません。寒い地方の生き物程大型化する傾向にはありますが、ウチョウランもそうなのかは分かりません。

ウチョウラン紫一点

ヤフオクでイワチドリやウチョウランの交配花を落札していると、けっこうおまけの球根を頂くことがあります。未選別品という場合が多いのですが、どんな花が咲くのか楽しみにしているとなかなか面白い花が咲いてくることもあります。写真の花もその中の一つで、紫一点の典型的な花が咲きました。

耳が大きいというか、側萼片の大きさの割に唇弁が小さめで、ヒナチドリの花のような雰囲気です。ウチョウランとヒナチドリの交配種をスズチドリと呼びますが、ヒナチドリの持つ唇弁の中裂片が小さくなる特徴が出る花が多いようです。この花はそれほど小さくないので、普通のウチョウランかもしれません。

ウチョウラン・カラス葉

カラス葉のウチョウランが咲きました。こちらはヤフオクで入手したもので、写真で見たときは少し葉色が薄いかなぁ? と思っていたのですが、作場の関係かわが家ではカラス葉カキランみたいな黒紫になりました。非常に見応えのある大型の広葉で、花を見るより葉を観賞する品種として作出されている感じです。

花の方も形が整っているので、並花でありながらよいアクセントだと思います。これで濃いベタ舌だったりするとくどく感じるでしょうが、白地にグラデーションの斑紋ですっきりして見えます。

羽蝶蘭・黄金葉白紫点連舌

前につぼみが付き始めの頃に、葉色を紹介した黄金葉なのですが、並花だと思っていたのが白紫点連舌というなかなか濃い組み合わせの花になりました。黄色もよく冴えてきれいに出ていますし、いじけたところのないすなおな成長をしている点もよいと思います。

紫点の入り方に特徴があるのと、舌が丸くなっているのがウサギを思わせて可愛いです。思わず「アンゴラ?」と思ってしまいました。イワチドリにもありますが、白地で丸い花はウサギっぽい感じがします。隣にカラス葉のウチョウランが置いてあるので、両方咲いたら一緒に撮影して比べてみたいです。

羽蝶蘭・紅一点Y723

今年もウチョウランが咲く季節になりました。典型的な紅一点花の Y723 です。ふくよかな中裂片にわずかな縁取りを残して濃い紅色に染まります。昭和の終わり頃のブームであれば、かなり人気になった花ではないかと思いますが、今はありふれた花の一つになりました。

好みの花を育てて咲かせるのが好きな人には、とてもいい時代になったんじゃないかと思います。今更ながらの自然種、野生から選抜された古い品種も見直されているので、オーソドックスなウチョウランもこだわりの花を育てて楽しみたいと思います。わたしはこのタイプがかなり好きなので、この花はお気に入りです。