ノイバラ

ノイバラ

いわゆる野バラです。日本の野性バラで最も一般的な、平野部で見掛けるバラの原種です。とても良い香りがありますし、秋に付く赤い実はクリスマスリースに人気だったり、身近な上に役に立つバラです。ノイバラに近縁の野生バラに、やや暖地系のテリハノイバラ、西日本に分布するピンクの花を咲かせるツクシイバラ、中国から伝わったと言われるナニワイバラなどがあります。

いずれも園芸品種の台木に使われたり、香料の原料になったり丈夫で繁殖力の高いバラです。黄色の雄しべからはよく花粉が出るので、ミツバチや他のハナバチに人気のようです。花付きの良さを園芸種に取り込む為や、丈夫さに期待してかなり昔から育種親に使われてきました。

ノイバラの托葉

ノイバラの葉のように小葉が複数で構成される葉を複葉といいます。ノイバラは羽状複葉というタイプになりますが、葉柄の付け根付近に托葉(たくよう)という根元に付く小さな葉があります。バラ科の葉にはたいてい托葉が付いています。

ノイバラの托葉は細く尖って、周辺に横方向に伸びるトゲのような細い張り出しがあります。これは非常に特徴的で、ノイバラを育種親に使ったバラのほとんどがこの托葉の特徴を受け継ぎます。遺伝的に優性(顕性と言い換えられているらしいですね)な性質のようです。

バラの花を見ることがあったら、葉のつけ根を見て「あー、これはノイバラの血が入ってるな…」みたいにほくそ笑むのは密かな楽しみです。

写真,野草

Posted by Bsaku