アオテンナンショウの実生

アオテンナンショウの苗・大種子

先週末に、アオテンナンショウの実生苗を鉢上げしました。アオテンナンショウ(Arisaema tosaense)は四国や中国地方、九州で自生が見られる日本固有種です。名前の通り全体が緑色のテンナンショウで、最大の特徴は仏炎苞の先が細く長く伸びること。ウラシマソウの釣り糸のようにとても長く伸びるようです。

同様に小葉の先も細く伸びるそうで、実生苗の葉にもそれらしき特徴が出ています。こんなに小さいのに、もうアオテンナンショウとしての気概を感じるというか、なんか可愛らしく思えてしまいます。丸い小葉に緑の花が咲いて背丈もあまり高くならないと、ヒロハテンナンショウのような見かけの種ですが、アオテンナンショウは暑さに強く育てやすい種類です。

アオテンナンショウの発芽

3月3日に蒔いて発芽を確認したのが4月30日ですから、およそ60日くらいで芽を出してきたことになります。サトイモ科の植物はだいたいこのくらいかかるものが多いのですが、アオテンナンショウは寒さにあたらなくても発芽してくることは、ちょっと意外でした。発芽開始から20日程でほぼ発芽完了していたので、発芽勢が良いだけでなく揃いも良い種類のようです。

アオテンナンショウの苗・大種子

タネの中でも充実した大きなものだけを選んで、20粒ずつポット蒔きした苗は5本植えで鉢上げしました。発芽率100%で、全ての種子が発芽しました。びっくりです。タネの大きさはだいたい同じですが、こうして苗になると全てそろった大きさにならないということが面白いです。

アオテンナンショウの実生苗

右の方は小さめのタネから発芽した苗で、だいたい10本まとめて鉢上げしています。本当はこんな適当なやり方は良くないのですが、驚くほど発芽率が良くて想定外の苗数ができてしまったので、多少窮屈ですが、我慢してもらうことに……

申し訳なく思います。5本植えで8ポット、10本植えで7ポットの総勢110本近い実生苗になりました。開花までは4年くらいかかるそうなので、せっせと肥培して元気な球根を育てようと思います。前にユキモチソウを蒔いたときは、半分くらいしか発芽しなかったのになぁ……