写真,野草

ノダフジの花

職場周辺の雑木林シリーズです。一週間前には咲き始めでしたが、早くも咲き終わりの花が増えてきました。野性のフジには、ヤマフジとノダフジが知られています。写真のフジはノダフジと判断しましたが、一般的には蔓の巻き方が右巻きか、左巻きかで見分けるように言われます。ん? 右巻きと左巻きって、どういう風にみて右巻きなの? と疑問に思うかもしれませんが、これは成長の方向に向かってです。根元から蔓の先に向かう方向にみて、右巻きはヤマフジ、左巻きはノダフジです。

写真,野草

ウバユリの花
ウバユリの花

ウバユリという植物があります。ユリじゃないユリ、というか狭義のユリ科に残されたユリ科の一つで、花を見るとちょっとひしゃげてしまったユリの花、という雰囲気があります。花びらの内側に暗褐色の斑点が入るところや、あまり開かないところなどはユリと似ていない点でしょうか。

ウバユリという名前の由来として、「花の頃には葉が枯れていることが多く、葉がない(歯がない)様子を姥婆に見立てて名前が付いた」という説明が、大手を振っているのですが……私の中では、この説にはとても違和感があります。

写真,野草

ミズキのつぼみ

五月と言えばミズキの季節。自分の中では昔からGWから梅雨の間の花として親しみを感じています。真っ白な花が水平に広がって咲く様子は、遠目に見ても分かりやすくて「あ、あそこにミズキがあるから、あの林はきっとこんな植生だろうな」という目安にもしていました。

学生時代のサークルの先輩で、車の中から「あの辺に○○が生えていそうだから、ちょっと寄って見ていこう」と言い出す人がいました。なんで分かるのか尋ねたところ、「○○の匂いがするんだよね~」なんて冗談を言う人でしたが、よくよく聞いてみると樹木の種類で判断していると教えてくれました。この樹が生えていて、北向きの斜面だから○○が生えているだろう、川沿いの南が開けた場所でこの樹が生えているから林床に○○があるだろう、と予想して探すのだそうです。

実際にその先輩の予想は80%くらいの確立で的中して、目的の花を見に行く途中でもっとレアな花を見られる、みたいな事が多々あったのですが、特に樹木の中でも、これとこれは特徴のある林床になってるから、気を付けて探すといいよ、と教えてもらった内の一つがこのミズキでした。

今でも忘れられない、樹木の面白さを教えて下さった先輩の思い出です。

写真,野草

アマドコロ

漢字で甘野老とあてられます。野老(ところ)はヤマノイモの仲間の宿根草で、アマドコロと似た感じの地下茎(芋みたいなもの)がありますが、苦味が強く食用に向きません。アマドコロは地下茎や新芽が甘く山菜として食用にされたり、漢方の生薬に利用されてきました。職場の周辺の雑木林にたくさん生えているので、斑入りや変わった花がないかなぁと探していますが、なかなかそういう物は見付かりませんね。

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ヤシャビシャクの花
ヤシャビシャクの花

昨年の秋に実の付いたヤシャビシャクのポット苗を購入しました。ヤシャビシャクは学名が Ribes ambiguum Maxim. でスグリ属スグリ科の落葉小低木です。以前はユキノシタ科に分類されていましたが、APG分類ではスグリ科として独立した科で扱われています。

果実は硬い毛で覆われた1cmくらいの緑色の実で、縦長であまりスグリっぽくはありません。味もスグリと言うよりキウィフルーツに似た味で、甘味が少ない酸っぱいキウィをイメージするとそれっぽいと思います。スグリと言えばカシスに代表されるジュースやジャム、果実酒に利用される果実なので、生食向きではないと思われていますが、このヤシャビシャクに限っては生で食べてもそれなりに美味しいと感じる人がいるのではと思います。