写真やカメラのあれこれ

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オニグルミ

いわゆる胡桃の実を付ける、日本原産のクルミです。クルミの仲間はナガグルミ(信濃グルミ)、ヒメグルミという種類もあるそうですが、セイヨウグルミ(ウォルナット)のほうが有名です。写真の黄緑色の実はまだまだ育ち始めの若い状態で、梅で言うと青梅の段階です。

勤務先の周辺にはこの樹がたくさん生えているので、秋になったら落ちた胡桃を拾って帰って美味しく頂いたりしています。川沿いなど水が近い環境に生えているイメージですが、草姿の似た樹木でサワグルミやノグルミという種類がありますが、この二種はクルミ属ではないので胡桃の実は成りません。

サワグルミはアレロパシー(他感作用)の教材として、知っている人もいるかもしれません。雨が降って葉先からしたたり落ちる雫に、他の植物の生育を阻害する成分が含まれます。サワグルミの林床には他の植物の実生などが育たず、サワグルミの落ち葉だけが積もった寂しい植生になってしまいます。

オニグルミはそんな事はないので、増えてくれるならオニグルミがいいなぁと思います。

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バイカウツギ「スノーファンタジー」

香りのあるバイカウツギです。半八重の花と一重の花が混じるので「スノーファンタジー」じゃないかと思いますが、違うかもしれません。かなり大きな立派な樹に育ってたくさんの花を咲かせていました。いくつかあるウツギの名前を持つ植物の中で、バイカウツギはあまり有名ではない地味な存在かもしれません。

大輪の「ベル・エトワール」という品種は香りが強くて、公園樹や庭木で人気があります。完全な八重咲き種や斑入り、黄金葉の品種もあるのですがあまり見掛けることはありません。梅雨の初めの頃から咲き始めるのでアジサイが目立つ時期。どうしても白一色のバイカウツギは華やかさに欠けるのでしょうか。ミツバチやハナムグリには人気があるんですけどね。

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オオマムシグサ

この仲間の同定は本当に難しくて、特にセラータム節(マムシグサの仲間)は個体変異も大きくて見分けるのが難しいです。分布域も近年調査が進んで今までの図鑑だと無かったところとか、新規の自生地が見付かることも多くて場所での特定もあてに出来ません。写真のマムシグサは葉の様子や草丈が2m近いサイズなのでオオマムシグサと判断しましたが…

日本のテンナンショウ属の図鑑として、「日本産テンナンショウ属図鑑」という写真図鑑があります。専門書大好きの北隆館から刊行されていて、今のところこの図鑑が最高峰じゃないかと思います。自生地の写真を中心にしているので、生育環境も分かるよい図鑑です。説明文も紛らわしい種類の区別点に言及していて、同定のための図鑑としても良いものです。

まーなかなかに手を出しにくいお値段なんですが、自分は買って良かったと満足しています。

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サイハイラン

つぼみの状態を前に記事にしていたサイハイラン、およそ10日できれいに咲きそろいました。花被片は薄いピンクベースに細かな紫褐色の斑点が入るので、濁ったようなピンク色に見えると思います。梅雨入りの頃に暗い林床で咲く様子は、一見すると腐生蘭の一種のように思われますが、花茎の付け根には一枚か稀に二枚の葉を付けています。

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ヤマグワ

まだ若くて黄緑色ですが、いわゆる桑の実です。ヤマグワだろうと思って写真を撮りましたが、マグワ(中国原産の栽培種)かもしれません。もう少し実が熟して赤くなってくるとはっきりします。子供の頃は近所で養蚕をしている家がたくさんあって、桑の実も食べ放題でした。

子供にとって酸味の少ない甘い果実というのは、おやつ代わりの人気の一品でした。ジャムにしても美味しいし、今でも時々食べたくなる味です。