写真やカメラのあれこれ

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ウコギの実

ウコギ科のウコギ。以外と鋭い針が枝中にあって危ない雑木のウコギの実です。7月頃にはこんな感じの黒くて美味しそうな実に熟します。多少甘みはありますが、どちらかというと生食はせずに、果実酒などに使います。ちなみに私は生食したことはありません。味の話はあくまで食べた人に聞いた話です。

山菜としては春先に新芽を摘んでご飯に炊き込む「五加木飯」が有名でしょう。こちらはさっぱりした風味があって私も好きな混ぜご飯です。職場周辺の雑木林にはそれこそそこら中にウコギが生えています。

来年は試しに熟した実を食べてみようかなんて考えていますが…さて美味しいのでしょうか。

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クサフジ

マメ科の身近な野草で、所によってはやっかいな雑草として嫌われています。一般的には写真のような青紫の花が咲くタイプが多いですが、赤紫の個体があったり稀に純白の個体があったりと、色の変化も楽しめます。とても丈夫な宿根草なので、あえて手を掛けずとも良く育って咲いてくれます。

牧草として育てている事もあると聞きますが、ちょっと栄養豊富すぎやしないかと心配になります。山菜として新芽をおひたしや天ぷらで食べる事も出来ます。花の天ぷらは色も鮮やかで見た目も良いですね。ただし、マメ科は種子に毒を持つ種類が多くて、このクサフジも種子は毒です。豆のさやが出来る頃は採取して食べたりしないようご注意下さい。

野菜になっている豆は、どれも毒の心配はありませんが、それは長い歴史の中で人類の努力で見つけてきたもの。基本的に豆の種子は毒だと覚えてほしいです。

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ニワウルシ

中国原産の落葉高木だそうです。さいしょ、センダンの花かなぁ? と思って写真を撮っていたのですが、戻って確認すると何か違う。調べてみてニワウルシという外来の樹木だと分かりました。ウルシに似た姿なのにかぶれる心配がないことから、庭に植えられるウルシ、ということでこの名前が付けられたようです。

全国各地で分布を広げているので、地域によっては駆除対象にもされている少々やっかいな樹木のようです。紅葉するときれいなので、そんなに邪険にしなくてもと思いますが、何しろ20mを超える高さに育つ木なので電線やら何やら接触トラブルが絶えないとか。

もともとは人が利用目的で持ち込んだそうですが、必要なくなったら一方的に悪者扱いするのもどうなのかなぁと感じてしまいます。

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ノアザミ

日本で最も一般的なアザミと言えばこのノアザミ。名前や見た目の似ているノハラアザミとは、総苞という花の付け根の小花を束ねている部分が、粘つき感があるか、開いてトゲトゲしているかでかんたんに見分けられます。写真のノアザミは総苞は開かずにベタベタしたさわり心地です。

アザミの花というと上を向いて咲いている姿を想像するのですが、本来のアザミ属で真上を向くのはむしろ少数派で、ほとんどの種類は横向きや斜め下向きになります。それも見分けるポイントかもしれません。アザミに似た上向きの花にはタムラソウやトウヒレンの仲間があります。標高の高い山の中で見掛けるアザミに似た花は、アザミよりトウヒレンの仲間が多いと思います。

ヤマゴボウの名前で漬物にされるのは、ノアザミやモリアザミの根っこが多いそうです。ゴボウ程太くはならないけど柔らかくて美味しいですね。

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イタドリ

山梨や長野のあたりでは、スカンポやスイカンポと呼んで、春の芽出しのまだ茎や葉が赤紫色の残る頃に、山菜として利用したりします。秋の紅葉の美しさも相まって、宿根になる雑草の中では割と見逃されることの多い植物です。酸っぱいのはシュウ酸のせいだというのはよく知られていますが、酸味成分はクエン酸やリンゴ酸も持っているので、全体的に酸っぱいもの集めた植物だなぁとおもしろく感じます。

シュウ酸は多食すると結石の原因になりやすいので、野菜のようにどっさり食べるのはおすすめできない山菜です。ただ、シュウ酸は水に溶けやすい性質のため、茹でこぼして水にさらす工程をしっかりやると、ほとんど抜けてしまうそうです。生でかじるとかなり酸っぱいのに、茹でておひたしで食べるとちょうど良い酸味と感じるのは、クエン酸やリンゴ酸がいい感じで残るためかもしれません。

花の感じはタデ科の中でもナツユキカズラやソバに似た雰囲気で、いわゆるトラノオのような花にはなりません。ベニイタドリという淡紅色の花を咲かせる種類もあるので、観賞を目的にするならベニイタドリの方が良さそうです。