クロシオチドリ・白地斑紋花

イワチドリがほとんど終了を迎えまして、代わってクロシオチドリとクロカミランが咲き始めました。ウチョウランも早いものは咲いています。昨年より舌のピンクが濃く出ているクロシオチドリの白地斑紋花です。相変わらず草姿の割に大きな花を咲かせてくれます。

クロシオチドリというのは、ウチョウランの地域個体群の一つと考えられていて、学名上はウチョウランと分けられていません。同様の個体群に、ツルギチドリ、テバコチドリ、小豆島ウチョウラン、ガンコラン、サイカイチドリといったものが有りましたが、現在も区別されて残っているものは小豆島ウチョウランくらいかもしれません。

その点クロシオチドリは、個体数が多かったのかいち早く保存会が発足したおかげか、今日でも多くの特徴有る個体が維持されています。早咲き、花が大きい、暑さに強いなど良い性質が多いので、今後も長く作り続けられて欲しいです。

クロカミラン・準無点

喉元にだけ細かい斑点がある、無点舌のクロカミランです。ありそうで意外と無いタイプかなと思います。わたしが育てているクロカミランは、どれも産地の地元、有田町の保存会の方から譲って頂いたものです。自然種は固体別に番号を付けて管理されていて、野生品は絶滅してしまいましたが、保存会など有志の方による植え戻しが行われています。

ウチョウランより一回り小さい、なで肩の花を咲かせます。保存会の分類番号は3141番です。