イワチドリ「剣」

古典品種の中でも、唇弁の模様に特徴があるのがこの「剣(つるぎ)」という品種です。唇弁の元から左右にト点を思わせる模様が入ります。普通の原種は点条になる場合がほとんどで、点にならずに棒状に繋がっているのはこの品種やこの品種を親とした交配種の特徴です。

開花の点ではちょうど中間というか、平均的な早晩性でこの品種より早く咲くと早生、遅いと晩生というイメージがあります。年によっても違うことがあるので、あくまで目安としてのイメージですね。昨年まではあまり調子が出なくて、花数も少なかったのですが、今年は大きな球根が多くて、花数も多い豪華な株立ちになりました。目立つ花ではありませんが、原種の一つとして大事にしたいと思います。

イワチドリ「紀牡丹」
紀牡丹

わが家で一番最初に咲き始めるのは、毎年この品種です。古典品種と言われる初期に登録された自然選抜種。サーモンピンクまでいきませんが、多品種と比べると赤味の強いピンクなのが特徴です。花の王さまと言われる牡丹のピンク色に例えた名前なのかもしれません。

4.5寸くらいの大きめの鉢に、けっこうたくさんの球根を並べて咲かせてみました。花型は原種そのものなので数本だと少し寂しく感じますので、古典品種で並花の場合はこんな感じの寄せ植え風に咲かせるのがおすすめです。

イワチドリ「天照」
イワチドリ「天照」

今年もイワチドリの咲く季節になりました。昨年よりは春先の気温が穏やかだったので、全体的に芽出しのタイミングは早かったように感じます。イワチドリはチドリ類と呼ばれるウチョウランやクロカミランに比べても、一月くらい開花が早いことで知られています。

イワチドリの中でも品種によって早晩性が見られて、早咲きの品種から比較的開花の遅い品種までいろいろあります。写真の天照(あまてらす)は Dream Seed さん作出の大輪花の品種でかなり早咲きです。わが家でも真っ先に咲いてくれます。

サツマチドリ 黄覆輪

サツマチドリが満開時期になりました。イワチドリから始まる春のチドリ祭りも、最終段階に入ったなぁと感じます。最近は梅雨時期といっても暑い日が続くので、サツマチドリは最後の花を咲かせるまで至らず、つぼみがつぶれて終わってしまうものも多く見ます。

私が子供の頃にはそんな年は一度もなかったと思いますので、やっぱり全体的に気温が上昇しているのか? と思わずにはいられません。写真のサツマチドリは黄覆輪斑の入る安定した葉芸品種です。花は並花で大したものじゃないと思っていましたが、球根がしっかり出来るとかなり形の良い、きれいな花が咲いてくれました。

上作と呼べる出来になったかと思います。花数も多くてサツマチドリらしい良さを出すことが出来ました。

イワチドリ・鈴姫系筋状斑紋花

今年は春先にゴタゴタしてしまって、一部のイワチドリの植え付けが一ヶ月以上遅くなってしまいました。ほとんどの品種は咲き終わっているのですが、そのせいで写真の鈴姫系筋状斑紋などの品種が今頃満開です。日中の気温が30℃になる日もあるので例年ならそろそろサツマチドリくらいしか咲き残っていないのですが。