デュメトルム・ダブルの芽だし

ヘレボルス・デュメトルム・ダブルWM9505の芽だし

だいぶ久しぶりの記事になってしまいました。今年は春が早くて、近所では福寿草が咲いたり庭植えのクリスマスローズが咲いていたりします。それなのにわが家のデュメトルムはまだこんな感じです。ふっくらしたつぼみは見えていますが、花茎を伸ばすタイミングを見計らっているようです。

これはウィル・マクルーインさんがブダペストの郊外で発見したと伝えられる、WM9505のサイト番号の個体で、株分けによる繁殖品です。実生ではないので野生で採取されたそのものの株分け個体になります。

昨年は二本の花茎に少なめの花数でしたが、今年は三本で内二本はつぼみも大きくてしっかりしているようです。さすがに栽培三年目になるとこの場所にも慣れてきたということでしょうか。順調に育ったら秋に株分けしようと思います。

現在日本で流通しているデュメトルム・ダブルのほとんどは、このWM9505の株分けかセルフの種子からの実生品ではないでしょうか。浅間クリスマスローズガーデンさんが別系統の丸弁のダブル個体を出していますが、それとはかなり雰囲気が違う剣弁の花が咲きます。

5年前まで大木ナーサリーさんが実生された、同じサイトのクロス実生品を栽培していたのですが、開花三年目で夏の暑さに耐えられずに枯れてしまいました。管理もおろそかだったように思いますし、かわいそうなことをしてしまいました。この野生個体は大木さんの実生の株より暑さに強くて丈夫に思います。

年々暑くなる一方の湿気の多い日本の夏ですが、ハンガリーの雑木林からやってきた株が元気というのも少し不思議な感じです。今までは株の充実を優先するためタネを採らないようにしていましたが、今年は一つだけ受粉してセルフ種子を採ろうと思います。

暑さに負けない丈夫な株が生まれてくれると嬉しいですね。