M.Zuiko DIGITAL 100-400mm F5.0-6.3 フィールドインプレッション

車山肩より諏訪市方面
車山肩より諏訪市方面 100mm F5.0 1/640 ISO-200

久しぶりに新しいレンズを購入したので試写に行ってきました。こちらも6年ぶりと久々の霧ヶ峰高原です。雨が心配でしたが天気予報を信じて、車山肩から車山山頂、車山湿原を歩いてきました。雨こそ降らなかったもののどんよりした曇り空で、一日中霧がかかるような残念な天気でした。まぁ一年の内200日霧が出るといわれる霧ヶ峰なので、こんな天気も想定内です。

ほんとうは野鳥を撮りたかったのですが、残念ながらこの時期の霧ヶ峰ではほとんど見かけませんでした。意外とたくさんの人が訪れていて、その中の数名の方が野鳥撮ってそうだなぁと思いましたが、やはり探すのに苦労していた様子でした。9月に入ってからの霧ヶ峰はほんとうに久しぶりで、20年ぶり近くになると思います。

ハナイカリ
ハナイカリ 400mm F6.3 1/250 ISO-200

今の時期だと、ヤマラッキョウとかモリアザミくらいかなぁなんて思いながら歩き始めて、最初に目に付いたのがこのハナイカリです。すっかり忘れていましたが、ハナイカリも8月中旬くらいから咲く花だと思い出しました。リンドウ科の越年草で、昔はそれほど数は多くなかったと記憶していましたが、けっこうあちこち生えていました。

400mm解放、手持ちで撮影しています。テレマクロの威力をいかんなく発揮してくれています。換算800mmを三脚なしで撮影して、手振れしないんだから恐ろしい時代になったと思います。上の方の花は子房が膨らみ始めているので、開花から二週間くらいたった株じゃないかと思います。

ヤマラッキョウ
ヤマラッキョウ 400mm F6.3 1/250 ISO-200

ヤマラッキョウはちょうどよいタイミングでした。背景にハナイカリの大株がありますね。霧ヶ峰のヤマラッキョウは花の色が濃くて、背も低い株が多いのでミヤマラッキョウのような雰囲気があります。海岸沿いに生えるヤマラッキョウだと50cmを超える背丈のものも見かけますが、霧ヶ峰だと30cm以下の小さいものが多いです。

特に車山の山頂付近では20cmくらいのものも多く見られます。それでも種としてはヤマラッキョウです。

アキノキリンソウ
アキノキリンソウ 100mm F5.0 1/320 ISO-200

アキノキリンソウは思ったよりずっとたくさん咲いていました。7月から咲き始めるので、もうほとんど残っていないかなと諦めていたのですが、つぼみの株もまだまだありました。自分が認識していたより開花期が広い植物だと知りました。

車山湿原や八島湿原の湿原内には、キリガミネアキノキリンソウという、ミヤマアキノキリンソウの変種があるのですが、こっちは開花期がずっと早いので咲き残りはありませんでした。むしろ咲いてたら怖いですけど。アキノキリンソウの仲間のソリダゴには、セイタカアワダチソウなどの雑草も含まれますが、アキノキリンソウ自体はとても可憐で可愛らしい花だと思います。

ウメバチソウ
ウメバチソウ 150mm F5.7 1/800 ISO-200

ウメバチソウもかなり咲き残っていました。特に車山の山頂付近ではつぼみの株も多くて、あんがい遅くまで咲いているのだなぁと変な関心をしたり。ウメバチソウはおしべの形に特徴があって、写真では分かりにくいかもしれませんが、黄緑色のヘラのような軸から細い糸が多数伸びて、先端に黄色い玉を一つずつ付けます。

ガラス細工のような繊細な作りの花です。自然の造形はすごいと感じるとともに、やっぱり神様のような偉大な何者かの手によって作られたという気がします。そうでなければ、こんな繊細で美しい細工を施す必要はないんじゃないかなぁと思いました。

ヤマトリカブト
ヤマトリカブト 100mm F5.0 1/500 ISO-200

ヤマトリカブトもまだ残っていました。車山の北斜面に多く咲いていましたが、以前より咲いている株が少ないように感じました。ご存じの通りトリカブトは猛毒なので、霧ヶ峰高原で問題になっているシカによる食害はないと思うので、なんで減ってるのかは疑問です。

実は北斜面には白花個体があったのですが、いまは近くまで行ける登山道は閉鎖されてしまったので、まだその個体が残っているかは分かりません。ちょうど霧が濃くなってしまって、双眼鏡で探してみましたが確認できませんでした。30年近く前の話なので、もう無くなっているかもしれませんね。

エゾリンドウ
エゾリンドウ 186mm F5.9 1/250 ISO-400

他の花とは違ってまだ早いかなと思っていたエゾリンドウも、数株ですが咲き始めを見つけることができました。お昼過ぎだったおかげで気温も上がって、花が開いてくれていたので気付けたのだと思います。閉じていると外側の紫褐色しか見えないので、枯れ葉色が広がる車山湿原でこの花を探すのは大変です。

霧ヶ峰高原にはもう一種オヤマリンドウも自生していますが、車山湿原の周辺はエゾリンドウだけだと思います。自分は見たことがありませんが、白花のエゾリンドウもあるそうなので、今度は時間をかけて探してみるのもいいかなぁなんて思いました。

ハバヤマボクチ
ハバヤマボクチ 285mm F6.2 1/250 ISO-250

アザミの仲間はモリアザミやノハラアザミがまだ咲いていましたが、ひときわ目立っていたのはこのハバヤマボクチです。かなり大きなアザミという雰囲気ですが、アザミとは別属です。漢字で葉場山火口という名前の付いたこの植物は、昔から人の役に立っていた植物です。

葉や根っこが食用に、葉や茎に付く綿毛を火打ち石で火を熾すときに火口として使ったといわれています。花の額の部分にもたくさんありますが、かなりふわふわした綿毛ですので火口には向いているんだろうと思います。写真の花は枯れているように見えますが、この状態で開花しています。満開を過ぎてしまってはいますが、枯れ花ではなくてこれで正常な開花です。地味を通り越して変な花です。

車山肩よりS字
車山肩よりS字 100mm F5.0 1/400 ISO-200

一周して戻ってきましたが、まだ空は晴れてくれませんでした。トビがあちこちで飛んでいるのを見かけたくらいです。それ以外の野鳥は残念ながら見付けられませんでした。午後になってからもピーナスラインを上ってくる車を多く見かけたので、この時期はまだ観光客が多いのだなぁと知りました。もっと少ないと思っていたので驚きです。

半日程使ってみて思ったのは、300mmF4.0 と比べてフォーカスが速いと感じる場面が多いこと、ズームリングは重めですが変な引っかかりもなくて使いやすいこと、あとよくボケることです。当たり前ですがこの焦点距離で最短撮影距離が 1.3mという寄れることの恩恵は大きく、テレマクロとして花を撮るにも野鳥を撮るにも向いているレンズだと思いました。

今回の撮影は全て手持ちで行ったので、三脚座は外して行動していましたがそれなりに重くは感じました。長時間の撮影を考えるなら、三脚座を付けて一脚を使うのがいいかなぁと思います。Proシリーズではありませんが、画質は予想以上に良いです。単焦点にはかなわないと思いますが、ほとんどの場面でそれを上回る恩恵を感じられるのではないでしょうか。

MFTのシステムをお持ちの方なら、ぜひ使って欲しいレンズと思います。