ガーデニング

アナベル

アメリカアジサイという紫陽花の品種で、いつの間にか日本中に普及しました。雰囲気はノリウツギなどの夏咲きのアジサイに近いですが、開花期は早めで5月頃から咲き始めます。会社周辺だと6月から咲いているのを見掛けます。古くから庭木として人気のある紫陽花ですが、ガクアジサイや野生種のタマアジサイ、エゾアジサイのどの種類も花芽の出来る時期が8月頃と真夏にあたります。

そのため、紫陽花の花芽の出来る時期を知らないで、秋から翌年の春先に剪定をしてしまうと、その年に咲いてくれるつぼみが全てなくなってしまいます。それに比べてノリウツギの仲間やこのアメリカアジサイは、新梢咲きというその年に伸びた新しい枝の先に花芽を付けます。剪定の時期や剪定のやり方にもあまり気を遣わずに、気楽に楽しめる点が人気の原因かもしれません。

アジサイの中にも新梢咲きの性質を持つ品種や、二季咲きの品種も増えてきたので、好みのアジサイを楽しみやすくなりました。

ガーデニング

イトラン

キミガヨランの仲間で葉が細く、葉の縁が裂けて糸のようになることから糸蘭の名前が付きました。蘭というのは美しい花の形容に使われることがあって、蘭ではない植物にもランという名前が付けられることがあります。例えばヤナギランとか、ヤブランとか君子蘭にスズランもそうです。

写真の右に灰色の枯れ枝のような物が写っています。これは昨年のイトランの花形で、一年経ってもドライ状態で残り続けます。太い茎は中空なので意外と軽い枯れ枝なので、オーナメンタルとして利用することもあります。チランジアなんかを着生させて飾っても面白いかなと。

ガーデニング,山野草

春咲きシュウメイギク

春咲きシュウメイギクの本命は写真の花で、アネモネ・ヴァージニアナという種類です。今年は開花が遅れたのか、春咲きと言うにはちょっと? な時期に咲き始めました。花びらの先が摘まんだ感じに尖るのが、見た目で分かりやすい特徴かと思います。丈夫さで言えばカナデンシス種の方が育てやすく、増殖率もいいのでそのうち春咲きシュウメイギクの本命としてカナデンシス種が取って代わるかもしれません。

ただ個人的な好みで言うと、やっぱりヴァージニアナの方がシュウメイギクらしいと感じます。秋咲きのシュウメイギクって、花首がながーく伸びて先端に花を付ける感じで咲くものが多いんですよね。ポット向きの園芸品種には、花首が伸びないよう改良したものも多いのですが、昔から庭園に植えられてきた秋明菊、貴船菊といった種類は花首の長さも特徴です。

その点でカナデンシスやフタマタイチゲは花や葉は似ているけど、やっぱりシュウメイギクとは違うよなぁと感じてしまいます。

ガーデニング

西洋イワナンテン

常緑の低木でアメリカイワナンテンとも呼ばれます。耐陰性が強いのと目立った病虫害が無いので、カバープランツとして空いたスペースに植えられることが多いようです。公園の階段脇とか、歩道の中央分離帯とかあまり目立たないところにひっそりと使われる印象です。

写真の株は「レインボー」という芽出しの頃は赤くなって派手な品種です。おそらくこの品種が一番普及しているんじゃないかと思います。寒さにも暑さにも強いので、割とどこでも見掛ける植物になっています。近所に咲いているのを見ている限り、ミツバチにはあまり人気がない? ように思うのですが、この花の咲く5月は他にもいろいろ蜜源があるので、あまり見掛けないのかもしれません。

日本原産のイワナンテンは山野草として知られています。なかなか育てにくい難物だと感じています。やはり日陰に強いので一日中日陰になる岩組みに植えて育てていましたがなかなか大きくなりませんでした。

ガーデニング

チョウジソウ

チョウジソウという花があります。Amsonia elliptica という学名で、ガーデニングが好きな人なら、アムソニアで通じる宿根草です。写真の花もチョウジソウだと聞いているのですが、いやいや、チョウジソウにしては花付きよすぎない? というツッコミを入れたい気持ちが。おそらくですが、海外産のアムソニアの何かと思います。

チョウジソウはミソハギなどと同様に、里山の休耕田や小川の畔に生える植物で、現在は絶賛行方不明中です。昔は普通に見られたそうですが、わたしが子供の頃にはもう珍しい野草だったように思います。自分も野生の状態は一度しか見たことがありません。採取圧や盗掘と言われる、人が掘り取ってしまうことで絶滅してしまう野生種も多いですが、チョウジソウは環境の変化や、里山に人が手を入れなくなったことで減ってしまったのではないかと思っています。