オキナワチドリ「沖ノ輪」

オキナワチドリ「沖ノ輪」昭和46年に見いだされたオキナワチドリの斑入り代表種です。クッキリ入る白覆輪と育てやすさもあって最も普及しているオキナワチドリの葉芸品でしょう。発見から50年近く経っているのは驚きです。昨年一球で購入したものが無事に二球に増えてくれました。ウチョウランと同程度の増殖率じゃないかと思います。

オキナワチドリは冬咲きのチドリ類として、野生ランの入門種のような扱いを受けることもあります。しかし、わたしの経験から言うとかなり癖がある難しいランだと思っています。スズムシソウ属の感覚と言えば分かる方もいるのではないでしょうか。

最近の栽培書を見ても、オキナワチドリの栽培難易度は容易とされているものがほとんどです。確かに一部の高山性野生ランと比べれば容易ですが、イワチドリやウチョウラン程簡単に構えているとあっさり枯らしてしまうと思います。

オキナワチドリ紅一点例えばこちらの紅一点のオキナワチドリ、昨年は開花球が一球に小球が一つのポット植えで購入したものです。開花はしてくれましたが貧弱な感じで、本芸の咲き方でない今ひとつな状態でした。今年は大きめの開花球(手前の株)と、中球一つに小球二つに育ちました。

順調に生育していると思っていますが、ちょっとした油断で来年は一球だけになってしまうことがあるのがオキナワチドリです。本調子なら二倍以上に増殖するそうなので、まだまだ調子が出ているとはいえません。

オキナワチドリ純白花そしてオキナワチドリの純白花です。開花見込み三球入りのポット苗で購入しました。残念ながら一球も咲きませんでしたが、葉も細く弱々しい感じだったので今年は持ち直してくれた方だと思っています。うまくすれば二球は咲いてくれそうです。増殖率は悪くなさそうなので、しっかり肥培管理さえできれば難しくないランであることは確かです。

オキナワチドリは冬期生育型のランという、日本の野生ランとしては珍しいタイプのために、難易度が上がっているのではないかと感じています。特に他のチドリ類をメインとしていると、いろいろ勝手が違うため数年は咲かせてもじり貧になって枯れてしまうことが多いのではないでしょうか。

ここは思い切り意識を変える必要があります。わたしは南アフリカ産の小球根類を好きで育てていますが、それらと同じ扱いで栽培しています。オキナワチドリと同じように、秋に芽を出して花を咲かせて翌年の春に地上部が枯れる種類がほとんどです。

休眠中は完全に乾燥させるより、少し湿度を保つ方が調子の良いものが多くて、オキナワチドリと似た性質に思えます。原種シクラメンなども近い性質だと思います。

今年は三種類とも花が見たいのですが、うまく咲いてくれるでしょうか。きれいに咲いた姿をご紹介できればうれしいのですが、もう一年か二年育てる必要がありそうに思います。

Posted by Bsaku