写真,野草

サイハイランのつぼみ

会社周辺の雑木林には、何種類かの野生ランが自生しています。サイハイランという冬緑性? のランもその一つで、秋に新しい葉を出して冬の間は濃い緑のエビネに似た大きな葉を付けます。花が咲く頃かその後に徐々に黄色くなって枯れ落ちますが、花の咲かない年はそのまま残ったりもします。

写真の左上と右下にニョキッと突き出ている、赤紫のつぼみがサイハイランのつぼみです。それぞれの左に昨年の葉が付いているのが分かるでしょうか。やや黄緑色がかっているので花後には枯れてしまうと思います。葉数の多くないランなので、一枚とはいえ光合成を行う上では重要な葉なのですが、幸いにも食害を受けることはほとんど無いのか、天寿を全うする葉を見掛けることが多いです。

本格的な梅雨になるとサイハイランの花が咲き始めます。

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ハリエンジュ

正式な和名はハリエンジュですが、ニセアカシアという別名の方がよく知られていると思います。マメ科の高木で15mを超える樹も珍しくありません。萌芽力と根張りがとても強いので、護岸工事で利用されてきた経緯があります。山梨では河川敷のあちこちに林になっているのを見掛けるので、なじみのある花木ですね。

蜜源植物として重要視されているので、養蜂が盛んな地域でもあちこちで見掛ける花ではないでしょうか。ただ、個人的にはあまり印象の良く無い、苦手な植物です。とにかく枝に付くトゲがやっかいで、伐採した枝だけじゃなくて林床を歩くときも危険があります。実生でもよく増えるので、いつの間にか生えてくることもあって除草の際に邪魔者扱いです。

北米原産の外来種で、古くは街路樹としての利用が多かったようです。今では各地で侵略的外来種として駆除の対象にもなっていますので、好んで庭に植える人も減っていると思いますが、一度植えると除去するのが難しいのでご注意を。

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エゴノキ

花の後に付く実がオリーブに似ていると思う庭木としても有名な高木です。木材としては建材というより、日用品に使われることが多いそうで、細い割に固さと粘り強さのある枝です。杖としても使いやすそう。名前の由来は実に強いえぐみがあることからエゴノキだそうで、かじったことはありませんが見るからに苦そうです。

毒成分でもあるサポニンを果皮に多く含むので、食用にはなりませんしうっかり口に入れないように注意が必要です。子供の頃にピンクエゴノキという、花の色が淡いピンク色の園芸種を育てていたことがあるのですが、花が咲く前に興味を無くしてしまったのか、咲いた花を見た記憶がありません。高木なので開花サイズになるまで時間が掛かることを知らなかったので、実家の庭のどこかに植えたままだと思います。

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ギンラン

春咲きの野生ランの中でも特に好きなランの一つです。理由はいくつかあるのですが、父が好きだったキンランと対になる名前を持つ蘭というのも理由の一つです。職場周辺の雑木林ではところどころにぽつぽつと生えています。キンランは見かけることがない代わりに、ササバギンランはよく見かけます。

ササバギンランとの違いは、全体的に小型で背が低い、葉が革質で丸みを帯びて細く尖らない、花数が少ない、明らかに突出した距がある、などの点があります。慣れれば花が咲き終わっていても、葉質の違いで分けられるほど、ギンランとササバギンランの葉の様子は異なります。

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クサノオウ

クサノオウという越年草が今年もよく咲いています。雑木林や空地、林道脇など割合どこでも見られるケシ科の雑草の一つです。雑草と呼ぶには花がきれいなので、下草刈りの跡地でも刈られずに残っているのを見掛けます。

クサノオウとは変わった名前だなぁと思います。茎や葉を折ると黄色い乳液が出てくるので、手に付くと黄色の染みになることから「草の黄」という語源や、民間療法で皮膚病全般の治療薬に使われたとか、漢方の一つでもあることから「草の王」だとか、色々言われています。