令和4年クロカミラン

クロカミラン No.1156「幸春」

今年もクロカミランの季節がやって来ました。というか、今年は春の芽出しが遅くてクロカミランとウチョウランとサツマチドリが同時に咲き始めています。なんかおかしな年です。

この花は「幸春」という品種名の付いた自然種のクロカミランです。子房の半分ほどの長さの短い距、なで肩でふっくらとした舌と落肩ぎみの側萼片と、見事なクロカミランの特徴が出ていますが、派手な模様柄だけはらしくない感じを受けます。クロカミランというと全体的に薄い模様や霧点花のような模様花が多くて、クロシオチドリは派手柄という印象がありました。

保存会に登録されている由緒正しい品種なので、純粋なクロカミランなのは間違いないと思いますが、いろいろなタイプがあるのだとあらためて思わせてくれる花です。

クロカミラン No.3107 霧点花

こちらは霧点花といわれる細かい斑点が入るタイプです。クロカミランの模様は、五月雨のように列をなした斑点が入るものが昔から知られていました。霧点花にももっと細かいミストのような模様花もありますし、舌全体の色も淡い赤紫でパステル調の斑点というものも少なくありません。

この花は霧点花というには斑点が大きい感じもありますが、舌の色も濃いめなのでこのくらいの方が負けない感じで良いのかもしれません。

クロカミラン No.1738

このクロカミランは側萼片が上がり気味で、ウチョウランを思わせる花型をしています。あまりクロカミランらしくない感じですが、元々自生地の黒髪山にもウチョウランが分布していて、おそらく自然交雑と思われる中間型もあったそうなので、このタイプの花はそういうクロカミウチョウランのようなものかもしれません。

ヒナランとウチョウランの人口交配種がスズチドリ、クロカミランとウチョウランの人口交配種がクロカミウチョウランと昔は呼ばれていました。スズチドリは人気も出て広まったそうですが、クロカミウチョウランはあまり作出する人がいなかったようで、名前だけは知られているけど、実際に見たことは……という人が多いのではないかと思います。

現在の羽蝶蘭と漢字表記される交配種のチドリは、ウチョウランにアワチドリやサツマチドリ、クロカミランなどいろいろな原種の掛け合わせとなっているようですので、広い意味ではウチョウランもクロカミランも羽蝶蘭という同じ種類といっても良いかもしれません。

純粋に花だけの評価をすると、派手柄で色もしっかり出ている良い花だと思います。オーソドックスで原形をとどめているチドリとしては、育てやすくて自然な感じで見飽きないタイプだと思います。

Posted by Bsaku