写真,野草

バイカウツギ「スノーファンタジー」

香りのあるバイカウツギです。半八重の花と一重の花が混じるので「スノーファンタジー」じゃないかと思いますが、違うかもしれません。かなり大きな立派な樹に育ってたくさんの花を咲かせていました。いくつかあるウツギの名前を持つ植物の中で、バイカウツギはあまり有名ではない地味な存在かもしれません。

大輪の「ベル・エトワール」という品種は香りが強くて、公園樹や庭木で人気があります。完全な八重咲き種や斑入り、黄金葉の品種もあるのですがあまり見掛けることはありません。梅雨の初めの頃から咲き始めるのでアジサイが目立つ時期。どうしても白一色のバイカウツギは華やかさに欠けるのでしょうか。ミツバチやハナムグリには人気があるんですけどね。

写真,野草

オオマムシグサ

この仲間の同定は本当に難しくて、特にセラータム節(マムシグサの仲間)は個体変異も大きくて見分けるのが難しいです。分布域も近年調査が進んで今までの図鑑だと無かったところとか、新規の自生地が見付かることも多くて場所での特定もあてに出来ません。写真のマムシグサは葉の様子や草丈が2m近いサイズなのでオオマムシグサと判断しましたが…

日本のテンナンショウ属の図鑑として、「日本産テンナンショウ属図鑑」という写真図鑑があります。専門書大好きの北隆館から刊行されていて、今のところこの図鑑が最高峰じゃないかと思います。自生地の写真を中心にしているので、生育環境も分かるよい図鑑です。説明文も紛らわしい種類の区別点に言及していて、同定のための図鑑としても良いものです。

まーなかなかに手を出しにくいお値段なんですが、自分は買って良かったと満足しています。

写真,野草

サイハイラン

つぼみの状態を前に記事にしていたサイハイラン、およそ10日できれいに咲きそろいました。花被片は薄いピンクベースに細かな紫褐色の斑点が入るので、濁ったようなピンク色に見えると思います。梅雨入りの頃に暗い林床で咲く様子は、一見すると腐生蘭の一種のように思われますが、花茎の付け根には一枚か稀に二枚の葉を付けています。

クロシオチドリ

長崎県平戸島のウチョウランで、開花期の早い一群がこの名前で呼ばれます。出始めの頃のクロシオチドリは、草丈が低くて花の大きいウチョウランという雰囲気でした。最近見掛けるようになったのは、全体的に大柄で耐暑性の高い個体が多いように思います。

山梨にもウチョウランはありますが、現在残っている自生地はどこも標高が高い場所のもので、栽培が難しいと聞きます。中学生の頃に見に行った父方の実家に近い山は、低山帯だったのでまばらに生えるイワヒバの根元や、カヤツリグサの株立ちの中で咲いていました。側にはジガバチソウやセッコクがあったのも覚えています。

クロサキチドリ

謎のチドリとして3年前? から育てているクロサキチドリなのですが、あまり球根が増えないし、花付きもよくなりにくいです。いわゆる気難しい花というヤツでしょうか。聞いた話だとウチョウランとコアニチドリの交配種、という変わったチドリなので性質的にも難しい点があるのかもしれません。

細く伸びる葉と花茎は確かにコアニチドリっぽいなぁと思いますし、側萼片の形はウチョウランとよく似ています。距が短い点はコアニチドリの性質? セルフで種子を採って実生苗を育ててみたいのですが、今のところ受粉に成功していません。