ガーデニング

チョウジソウ

チョウジソウという花があります。Amsonia elliptica という学名で、ガーデニングが好きな人なら、アムソニアで通じる宿根草です。写真の花もチョウジソウだと聞いているのですが、いやいや、チョウジソウにしては花付きよすぎない? というツッコミを入れたい気持ちが。おそらくですが、海外産のアムソニアの何かと思います。

チョウジソウはミソハギなどと同様に、里山の休耕田や小川の畔に生える植物で、現在は絶賛行方不明中です。昔は普通に見られたそうですが、わたしが子供の頃にはもう珍しい野草だったように思います。自分も野生の状態は一度しか見たことがありません。採取圧や盗掘と言われる、人が掘り取ってしまうことで絶滅してしまう野生種も多いですが、チョウジソウは環境の変化や、里山に人が手を入れなくなったことで減ってしまったのではないかと思っています。

ガーデニング

春咲きシュウメイギクの花

一般的に春咲きシュウメイギクは、アネモネ・ヴァージニアナを指す名前です。この花も最初は春咲きシュウメイギクだと思っていたのですが、よく調べてみるとカナデンシス(Anemone canadensis L.)のようでした。フタマタイチゲやニリンソウなんて名前でも流通しているようですがどちらも別種です。

この花を育てているご近所さんのお話では、購入したときのポットのラベルには、春咲きシュウメイギクと書いてあったからそうだと思った、のだとか。確かに両種は良く似た性質で、花も似ていることから紛らわしいのです。ポット苗の生産者も区別できずに育てているのが実際でしょう。

ヴァージニアナは、花びらの先が摘まんだように尖ること、苞葉の先に花が一つであることで見分けられると思います。カナデンシスは二股、二輪という別名のように、苞葉の元に二つ目のつぼみが付くことが多く、一度には咲きませんが二輪の花が咲きます。その分、長く花を楽しめるという点で、園芸的にはよい種類だと思います。

ガーデニング,山野草

近所の畑とか、空地とかで見掛けた花を紹介。シランは日本の平野部で普通に見られる野生ランですが、ほとんどが人為的に植えられたもので、原生群落はところどころ残っているだけだそうです。園芸種と勘違いされるほど丈夫できれいなランなので、人の手で増やされて広まるのも無理ないよなぁと思います。

最近は台湾のアマナランや中国の小白笈と交配した、寒さに弱い品種も作られています。ブルーシランや黄花小白笈などがそれで、残念ながら山梨では冬は室内でないと枯れてしまいます。球根はぎりぎり残るのですが、新芽が全てダメになってしまいます。

写真,野草

ギンラン

春咲きの野生ランの中でも特に好きなランの一つです。理由はいくつかあるのですが、父が好きだったキンランと対になる名前を持つ蘭というのも理由の一つです。職場周辺の雑木林ではところどころにぽつぽつと生えています。キンランは見かけることがない代わりに、ササバギンランはよく見かけます。

ササバギンランとの違いは、全体的に小型で背が低い、葉が革質で丸みを帯びて細く尖らない、花数が少ない、明らかに突出した距がある、などの点があります。慣れれば花が咲き終わっていても、葉質の違いで分けられるほど、ギンランとササバギンランの葉の様子は異なります。

写真,野草

クサノオウ

クサノオウという越年草が今年もよく咲いています。雑木林や空地、林道脇など割合どこでも見られるケシ科の雑草の一つです。雑草と呼ぶには花がきれいなので、下草刈りの跡地でも刈られずに残っているのを見掛けます。

クサノオウとは変わった名前だなぁと思います。茎や葉を折ると黄色い乳液が出てくるので、手に付くと黄色の染みになることから「草の黄」という語源や、民間療法で皮膚病全般の治療薬に使われたとか、漢方の一つでもあることから「草の王」だとか、色々言われています。