写真,野草

ハリエンジュ

正式な和名はハリエンジュですが、ニセアカシアという別名の方がよく知られていると思います。マメ科の高木で15mを超える樹も珍しくありません。萌芽力と根張りがとても強いので、護岸工事で利用されてきた経緯があります。山梨では河川敷のあちこちに林になっているのを見掛けるので、なじみのある花木ですね。

蜜源植物として重要視されているので、養蜂が盛んな地域でもあちこちで見掛ける花ではないでしょうか。ただ、個人的にはあまり印象の良く無い、苦手な植物です。とにかく枝に付くトゲがやっかいで、伐採した枝だけじゃなくて林床を歩くときも危険があります。実生でもよく増えるので、いつの間にか生えてくることもあって除草の際に邪魔者扱いです。

北米原産の外来種で、古くは街路樹としての利用が多かったようです。今では各地で侵略的外来種として駆除の対象にもなっていますので、好んで庭に植える人も減っていると思いますが、一度植えると除去するのが難しいのでご注意を。

写真,野草

エゴノキ

花の後に付く実がオリーブに似ていると思う庭木としても有名な高木です。木材としては建材というより、日用品に使われることが多いそうで、細い割に固さと粘り強さのある枝です。杖としても使いやすそう。名前の由来は実に強いえぐみがあることからエゴノキだそうで、かじったことはありませんが見るからに苦そうです。

毒成分でもあるサポニンを果皮に多く含むので、食用にはなりませんしうっかり口に入れないように注意が必要です。子供の頃にピンクエゴノキという、花の色が淡いピンク色の園芸種を育てていたことがあるのですが、花が咲く前に興味を無くしてしまったのか、咲いた花を見た記憶がありません。高木なので開花サイズになるまで時間が掛かることを知らなかったので、実家の庭のどこかに植えたままだと思います。

ガーデニング

チョウジソウ

チョウジソウという花があります。Amsonia elliptica という学名で、ガーデニングが好きな人なら、アムソニアで通じる宿根草です。写真の花もチョウジソウだと聞いているのですが、いやいや、チョウジソウにしては花付きよすぎない? というツッコミを入れたい気持ちが。おそらくですが、海外産のアムソニアの何かと思います。

チョウジソウはミソハギなどと同様に、里山の休耕田や小川の畔に生える植物で、現在は絶賛行方不明中です。昔は普通に見られたそうですが、わたしが子供の頃にはもう珍しい野草だったように思います。自分も野生の状態は一度しか見たことがありません。採取圧や盗掘と言われる、人が掘り取ってしまうことで絶滅してしまう野生種も多いですが、チョウジソウは環境の変化や、里山に人が手を入れなくなったことで減ってしまったのではないかと思っています。

ガーデニング

春咲きシュウメイギクの花

一般的に春咲きシュウメイギクは、アネモネ・ヴァージニアナを指す名前です。この花も最初は春咲きシュウメイギクだと思っていたのですが、よく調べてみるとカナデンシス(Anemone canadensis L.)のようでした。フタマタイチゲやニリンソウなんて名前でも流通しているようですがどちらも別種です。

この花を育てているご近所さんのお話では、購入したときのポットのラベルには、春咲きシュウメイギクと書いてあったからそうだと思った、のだとか。確かに両種は良く似た性質で、花も似ていることから紛らわしいのです。ポット苗の生産者も区別できずに育てているのが実際でしょう。

ヴァージニアナは、花びらの先が摘まんだように尖ること、苞葉の先に花が一つであることで見分けられると思います。カナデンシスは二股、二輪という別名のように、苞葉の元に二つ目のつぼみが付くことが多く、一度には咲きませんが二輪の花が咲きます。その分、長く花を楽しめるという点で、園芸的にはよい種類だと思います。

ガーデニング,山野草

近所の畑とか、空地とかで見掛けた花を紹介。シランは日本の平野部で普通に見られる野生ランですが、ほとんどが人為的に植えられたもので、原生群落はところどころ残っているだけだそうです。園芸種と勘違いされるほど丈夫できれいなランなので、人の手で増やされて広まるのも無理ないよなぁと思います。

最近は台湾のアマナランや中国の小白笈と交配した、寒さに弱い品種も作られています。ブルーシランや黄花小白笈などがそれで、残念ながら山梨では冬は室内でないと枯れてしまいます。球根はぎりぎり残るのですが、新芽が全てダメになってしまいます。