リコリスの放つ光

ヒガンバナ1
ヒガンバナ Lycoris  radiata  Herb

今年も彼岸花の咲く季節が来ました。学名のラジアータは「放射状の」という意味で、昔の分類に放射相称の生物群をまとめる考え方があったそうです。わたしの子供の頃には、ヒガンバナは死人花、墓花なんて呼び方もされていて、なんだか不吉で恐ろしい花だという印象が合ったように思います。

近年はそのような忌避感は薄れて、地方によっては秋の観光名所として知られる場所も増えてきました。特に棚田やお寺の周辺などが人気のスポットだとか。時代が変われば人も変わるというモノでしょう。救荒植物としてや殺鼠剤の材料、モグラ避けなど、さまざまな理由で人の手により日本各地に広がったヒガンバナ。

ほとんどは種子のできない三倍体個体で、栄養繁殖で増やし続けてきた物です。九州や中国大陸に二倍体の個体群があるので、それらの中から八重咲きや白花の個体が見つかっています。園芸的には耐病性が高く丈夫なので、他のリコリス属と交配育種が進んでいます。

ヒガンバナ3
ヒガンバナ

咲き始めの頃は朱赤に近い色をしていて、時間と共に縁から白く色が抜けていきます。雨に当たると一気に傷んでしまうので、花の咲く頃は台風との戦いです。今年もこの後すぐに台風が来そうで急いで撮りに行きました。近所には田んぼがたくさん在るので、あちこちで彼岸花が咲いてくれます。あまり大きな群落はなくて、観光写真のような見事な風景は望めませんが、毎年楽しませてもらっています。

今日はあちこちでコンバインによるお米の収穫が行われていました。台風に負けずに頑張れ-!

ヒガンバナ4
ヒガンバナ

つぼみの頃は黒赤色を帯びていて、ちょっとエキゾチックな雰囲気があります。なかなか咲いてくれないのですが、八重咲きの品種を育てていて、これがけっこう黒みを帯びた赤色の花を咲かせます。二倍体なので一般的なヒガンバナより球根が小さくて、生育もゆっくりで育てにくい物です。媒体の植物は倍数体になると丈夫で育てやすくなります。

ヒガンバナ5
ヒガンバナ

つぼみの開き始め、咲き始め、開花して数日経った花、がうまい具合に並んでいました。一つの球根の群れはだいたい三日くらいの間に咲きそろうので、こういう開花タイミングがずれた状態の花が一箇所でそろうのは珍しいと思います。今年はラッキーだったなぁと思いました。

また来年もきれいな花を見せて欲しいものです。