ガーデニング

イトラン

キミガヨランの仲間で葉が細く、葉の縁が裂けて糸のようになることから糸蘭の名前が付きました。蘭というのは美しい花の形容に使われることがあって、蘭ではない植物にもランという名前が付けられることがあります。例えばヤナギランとか、ヤブランとか君子蘭にスズランもそうです。

写真の右に灰色の枯れ枝のような物が写っています。これは昨年のイトランの花形で、一年経ってもドライ状態で残り続けます。太い茎は中空なので意外と軽い枯れ枝なので、オーナメンタルとして利用することもあります。チランジアなんかを着生させて飾っても面白いかなと。

写真,野草

ニワウルシ

中国原産の落葉高木だそうです。さいしょ、センダンの花かなぁ? と思って写真を撮っていたのですが、戻って確認すると何か違う。調べてみてニワウルシという外来の樹木だと分かりました。ウルシに似た姿なのにかぶれる心配がないことから、庭に植えられるウルシ、ということでこの名前が付けられたようです。

全国各地で分布を広げているので、地域によっては駆除対象にもされている少々やっかいな樹木のようです。紅葉するときれいなので、そんなに邪険にしなくてもと思いますが、何しろ20mを超える高さに育つ木なので電線やら何やら接触トラブルが絶えないとか。

もともとは人が利用目的で持ち込んだそうですが、必要なくなったら一方的に悪者扱いするのもどうなのかなぁと感じてしまいます。

ガーデニング,山野草

春咲きシュウメイギク

春咲きシュウメイギクの本命は写真の花で、アネモネ・ヴァージニアナという種類です。今年は開花が遅れたのか、春咲きと言うにはちょっと? な時期に咲き始めました。花びらの先が摘まんだ感じに尖るのが、見た目で分かりやすい特徴かと思います。丈夫さで言えばカナデンシス種の方が育てやすく、増殖率もいいのでそのうち春咲きシュウメイギクの本命としてカナデンシス種が取って代わるかもしれません。

ただ個人的な好みで言うと、やっぱりヴァージニアナの方がシュウメイギクらしいと感じます。秋咲きのシュウメイギクって、花首がながーく伸びて先端に花を付ける感じで咲くものが多いんですよね。ポット向きの園芸品種には、花首が伸びないよう改良したものも多いのですが、昔から庭園に植えられてきた秋明菊、貴船菊といった種類は花首の長さも特徴です。

その点でカナデンシスやフタマタイチゲは花や葉は似ているけど、やっぱりシュウメイギクとは違うよなぁと感じてしまいます。

写真,野草

ノアザミ

日本で最も一般的なアザミと言えばこのノアザミ。名前や見た目の似ているノハラアザミとは、総苞という花の付け根の小花を束ねている部分が、粘つき感があるか、開いてトゲトゲしているかでかんたんに見分けられます。写真のノアザミは総苞は開かずにベタベタしたさわり心地です。

アザミの花というと上を向いて咲いている姿を想像するのですが、本来のアザミ属で真上を向くのはむしろ少数派で、ほとんどの種類は横向きや斜め下向きになります。それも見分けるポイントかもしれません。アザミに似た上向きの花にはタムラソウやトウヒレンの仲間があります。標高の高い山の中で見掛けるアザミに似た花は、アザミよりトウヒレンの仲間が多いと思います。

ヤマゴボウの名前で漬物にされるのは、ノアザミやモリアザミの根っこが多いそうです。ゴボウ程太くはならないけど柔らかくて美味しいですね。

写真,野草

イタドリ

山梨や長野のあたりでは、スカンポやスイカンポと呼んで、春の芽出しのまだ茎や葉が赤紫色の残る頃に、山菜として利用したりします。秋の紅葉の美しさも相まって、宿根になる雑草の中では割と見逃されることの多い植物です。酸っぱいのはシュウ酸のせいだというのはよく知られていますが、酸味成分はクエン酸やリンゴ酸も持っているので、全体的に酸っぱいもの集めた植物だなぁとおもしろく感じます。

シュウ酸は多食すると結石の原因になりやすいので、野菜のようにどっさり食べるのはおすすめできない山菜です。ただ、シュウ酸は水に溶けやすい性質のため、茹でこぼして水にさらす工程をしっかりやると、ほとんど抜けてしまうそうです。生でかじるとかなり酸っぱいのに、茹でておひたしで食べるとちょうど良い酸味と感じるのは、クエン酸やリンゴ酸がいい感じで残るためかもしれません。

花の感じはタデ科の中でもナツユキカズラやソバに似た雰囲気で、いわゆるトラノオのような花にはなりません。ベニイタドリという淡紅色の花を咲かせる種類もあるので、観賞を目的にするならベニイタドリの方が良さそうです。