写真,野草

ミズキのつぼみ

五月と言えばミズキの季節。自分の中では昔からGWから梅雨の間の花として親しみを感じています。真っ白な花が水平に広がって咲く様子は、遠目に見ても分かりやすくて「あ、あそこにミズキがあるから、あの林はきっとこんな植生だろうな」という目安にもしていました。

学生時代のサークルの先輩で、車の中から「あの辺に○○が生えていそうだから、ちょっと寄って見ていこう」と言い出す人がいました。なんで分かるのか尋ねたところ、「○○の匂いがするんだよね~」なんて冗談を言う人でしたが、よくよく聞いてみると樹木の種類で判断していると教えてくれました。この樹が生えていて、北向きの斜面だから○○が生えているだろう、川沿いの南が開けた場所でこの樹が生えているから林床に○○があるだろう、と予想して探すのだそうです。

実際にその先輩の予想は80%くらいの確立で的中して、目的の花を見に行く途中でもっとレアな花を見られる、みたいな事が多々あったのですが、特に樹木の中でも、これとこれは特徴のある林床になってるから、気を付けて探すといいよ、と教えてもらった内の一つがこのミズキでした。

今でも忘れられない、樹木の面白さを教えて下さった先輩の思い出です。

写真,野草

アマドコロ

漢字で甘野老とあてられます。野老(ところ)はヤマノイモの仲間の宿根草で、アマドコロと似た感じの地下茎(芋みたいなもの)がありますが、苦味が強く食用に向きません。アマドコロは地下茎や新芽が甘く山菜として食用にされたり、漢方の生薬に利用されてきました。職場の周辺の雑木林にたくさん生えているので、斑入りや変わった花がないかなぁと探していますが、なかなかそういう物は見付かりませんね。

エノモトチドリ 紅一点
紅一点のエノモトチドリ

二年前に入手したエノモトチドリの紅一点花です。入手したときに大きな球根と中くらいの球根の二球でセットだったのですが、昨年は一個体だけ花がひとまわり大きく、模様が滲むタイプのエノモトチドリが咲きました。その時に印を付けて分けて保管しようとしていたのですが、強風で印が飛んでしまったらしく、今年も分けられずに一緒に植えてしまったようです。

エノモトチドリはコアニチドリとイワチドリの種間雑種です。それぞれの紅一点個体を交配して作出されたのが、写真のような紅一点のエノモトチドリというわけです。当然実生ですから花のバリエーションも出てくるのでしょう。趣味レベルだと栄養繁殖がほとんどですが、ダンボール蒔きなど簡単な方法なら試しても面白いかなと思いました。

イワチドリ 鈴姫系
鈴姫

鈴姫という斑紋花で有名な品種があるそうです。私は写真ですら見たことは無いのですが、鈴姫を親に持つ細かな点条が唇弁全体に広がる花を鈴姫系と呼んでいます。この呼び方が正しいのか、正しくないのかは分かりません。Dream Seed さんの交配なので、もっと色々な複雑な系統になっていると思いますが、整った花型でスッキリした模様なのが気に入っています。

イワチドリ「剣」

古典品種の中でも、唇弁の模様に特徴があるのがこの「剣(つるぎ)」という品種です。唇弁の元から左右にト点を思わせる模様が入ります。普通の原種は点条になる場合がほとんどで、点にならずに棒状に繋がっているのはこの品種やこの品種を親とした交配種の特徴です。

開花の点ではちょうど中間というか、平均的な早晩性でこの品種より早く咲くと早生、遅いと晩生というイメージがあります。年によっても違うことがあるので、あくまで目安としてのイメージですね。昨年まではあまり調子が出なくて、花数も少なかったのですが、今年は大きな球根が多くて、花数も多い豪華な株立ちになりました。目立つ花ではありませんが、原種の一つとして大事にしたいと思います。