
漢字で甘野老とあてられます。野老(ところ)はヤマノイモの仲間の宿根草で、アマドコロと似た感じの地下茎(芋みたいなもの)がありますが、苦味が強く食用に向きません。アマドコロは地下茎や新芽が甘く山菜として食用にされたり、漢方の生薬に利用されてきました。職場の周辺の雑木林にたくさん生えているので、斑入りや変わった花がないかなぁと探していますが、なかなかそういう物は見付かりませんね。
小型のランや山野草の話題が中心です
二年前に入手したエノモトチドリの紅一点花です。入手したときに大きな球根と中くらいの球根の二球でセットだったのですが、昨年は一個体だけ花がひとまわり大きく、模様が滲むタイプのエノモトチドリが咲きました。その時に印を付けて分けて保管しようとしていたのですが、強風で印が飛んでしまったらしく、今年も分けられずに一緒に植えてしまったようです。
エノモトチドリはコアニチドリとイワチドリの種間雑種です。それぞれの紅一点個体を交配して作出されたのが、写真のような紅一点のエノモトチドリというわけです。当然実生ですから花のバリエーションも出てくるのでしょう。趣味レベルだと栄養繁殖がほとんどですが、ダンボール蒔きなど簡単な方法なら試しても面白いかなと思いました。
古典品種の中でも、唇弁の模様に特徴があるのがこの「剣(つるぎ)」という品種です。唇弁の元から左右にト点を思わせる模様が入ります。普通の原種は点条になる場合がほとんどで、点にならずに棒状に繋がっているのはこの品種やこの品種を親とした交配種の特徴です。
開花の点ではちょうど中間というか、平均的な早晩性でこの品種より早く咲くと早生、遅いと晩生というイメージがあります。年によっても違うことがあるので、あくまで目安としてのイメージですね。昨年まではあまり調子が出なくて、花数も少なかったのですが、今年は大きな球根が多くて、花数も多い豪華な株立ちになりました。目立つ花ではありませんが、原種の一つとして大事にしたいと思います。